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卒業したら就職・進学? 高校生の進路の決め方

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インターンシップ… 地域社会との連携と協力

 現在、高校生においてもキャリア教育の重要性が認められています。キャリア教育とは、生徒たちの勤労観、職業観を育てるために、職場体験を行う学習活動です。これは生徒たちが働くことの喜びや厳しさを学び、学習に対する意欲を向上させるための貴重な体験となります。また「人間としての在り方、生き方についての自覚と自己を生かす能力を養うこと」を基盤として、将来、どんな職業を選択するのか?社会に出て何を実現したいのか?自分の適性とは何か?という基本的なビジョンを低年時から段階的、計画的に意識させることでもあります。

 小学校・中学校・高等学校を通じて、奉仕体験、長期宿泊体験、自然体験、文化芸術体験、職場体験、就業体験(インターンシップ、デュアルシステム)などの体験活動を計画的・体系的に指導が行われます。特に、ニートの問題が指摘される中、キャリア教育の推進が求められており、高校の普通科においても、学ぶこと、働くこと、生きることの尊さを実感させ、勤労観、職業観を醸成するためにインターンシップ等の体験活動を行うことが期待されています。

 インターンシップなどの推進には、受入れ企業、関係団体、関係機関など、地域社会の理解、協力が不可欠となります。インターンシップや企業人の派遣等は、教育効果の高い体験活動ですが、受入れ企業と高等学校との調整、実施計画などの課題も多く含まれています。そのため教育委員会は、学校関係者、企業関係者、関係団体、関係機関等が一堂に会する協議会等を設け、様々な課題を協議し、相互の理解の向上や協力関係の強化を図ることが望まれています。

さまざまな学習の基盤に位置するキャリア教育

 キャリア教育は、生徒のキャリア発達を支援する観点から学校のすべての教育活動を通して推進されなければなりません。高等学校におけるキャリア教育の取り組みは、進路指導の内容にしたがった特別活動のホームルーム活動や学校行事だけではなく、総合的な学習の時間や各教科・科目において取り上げたり、それぞれを関連させたりする必要があります。特別活動、総合的な学習の時間は、それらが教科の学習で学んだ成果等を様々な体験活動や話し合い活動等を通して進化・発展、統合させたり、逆に、その成果を教科の学習に還元し、反映させていくというねらいを持っています。そのために、そこで展開される職業や進路に関連する学習活動は、キャリア教育を進める上で、重要な役割を担うものとなります。

 なお、職業教育においては、生徒が自己の目指す将来の職業やその分野に関する知識や技能を習得することも大切です。具体的な情報を得ることを通し、必要な資質・能力をより深く自覚し、専門的な知識・技能をより高めようとする意欲や姿勢を身に付けさせる指導がなされます。

大学への進学が最終目標ではありません

 キャリア教育推進の目的は、主に就職希望者に限定してインターンシップを行っているというわけではありません。もちろん進学希望であっても「大学の向こうにある社会」を生徒に意識させ、高等学校卒業後または大学等卒業後に希望する職業について、インターンシップ等により体験させ、自己の将来について考えてみることが重要なのです。大学中退やニートの問題は、大学進学後にどのようなことを学びたいのか、卒業してどのようなことがしたいのか、どのような職業に就きたいのかといったことに対して、明確な目的を持たずに、先送りしてしまうことによっています。その結果として大学卒業後に進学も就職もしない者が多くなることにつながっていると考えられます。

 これは大学のみならず、高等学校と大学等との関係の在り方にかかわる課題として、高等学校においても検討すべきことです。高等学校段階で、目前の入れる大学を選ぶことを目的化するのではなく、その先にある大学等の卒業後において、社会的自立、職業的自立ができるよう、主体的に進路を決定する能力・態度を育成するキャリア教育を進めることが重要となるのです。

 特に普通科では、教科として職業に関する教育がほとんどなされませんでした。そこで特定の職業の能力向上を目的とするのではなく、将来の進路選択の幅を広げる観点から、インターンシップなどの多種多様の体験の機会を与えることにより、職業観や勤労観、更には進路を主体的に選択する能力を育成することが求められます。

 学校においては、地域の状況、実態を踏まえ、生徒の希望や能力、適正を明確にして、組織的、系統的なキャリア教育が実施できるよう、さらに充実改善を図っています。