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高等学校生活の過ごし方

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インターンシップや職場体験など期待が高まる高校生へのキャリア教育

高校生には具体的な進路の決定が求められます

 高校生という時期は、進路を決めて将来どんな職業に就くかなどの準備をすることが課題となる時期でもあります。中学生のときよりも自分自身に対する意識が強まり、自分はどのような性格であるのか、自分にはどのような能力や適性があるのかを考えるようになるのです。自己と他者との違いに気づき、客観的に自分自身を受け入れ、自らの価値観が明確になり、進路を決定していきます。

 中学生のときにはなかった具体的で実際的な選択が求められるだけに、不安感や焦燥感をもちやすい時期でもあるようです。また、現代の高校生は、身体的には早熟傾向にあるものの、一般的に精神的・社会的な成熟が遅れているといわれています。例えば、社会生活に欠かせない一般常識や挨拶などの基本的な生活習慣、さらに人間関係を形成する能力などを十分に身に付けていない生徒も少なくありません。「なぜ学ぶのか」そして「なぜ学校に通うのか」といった、高校で勉強していることの意味をうまく理解できず、さまざまな問題を抱える生徒や、卒業年時においてさえ、進路を主体的に決定できない生徒もいるようです。高校生になってのとまどいは、中学生とは比べようもないほど深刻です。

キャリアに対する意識がしっかりと身に付くように

 このような状況があることから、高校におけるキャリア教育の必要性が、ますます高まっています。高校3年間を通して、生徒一人ひとりが自己の生き方・あり方を考え、勤労に対する確かな考え方と自分の将来を設計できるようサポートすることが必要です。少なくとも、卒業年次には、キャリアに対する意識がしっかりと身に付いているような指導が欠かせません。

 具体的には、高校入学に当たってすぐ、高校生活へ適応することを十分にサポートすることが大切です。高校での勉強を通じて、学ぶことの楽しさを味わうことができるようにすることが、キャリア教育の最初の課題となります。高校生活を順調にスタートできれば、次のステップでは、インターンシップや奉仕体験などの種々の体験的な学習を通して、働くことへの関心を高めていくことが将来への基盤となるでしょう。また、高校卒業後の進路は中学卒業時に比べて選択肢はたいへん多様となります。高校においてのキャリア教育は、生徒のキャリア発達をサポートしながら、自分の意志で進路を決められるように援助していくことが目標となるのです。

家庭や地域にキャリア教育の大切さを広く発信

 そして、家庭の役割も重要となります。親が学校と一体となって、子どもたちの成長や発達を支えていくことが強く求められています。働くことに対する親の考え方や態度は、子どもたちの意識にも大きく影響するからです。キャリア教育は、周囲の大人や社会とのかかわり無しには考えることができません。子どもたちは、家庭や地域での人間関係や生活体験をとおして社会性を身に付け、「生き方」の基礎を培っていきます。

 また、地域の教育力を活用した体験活動として現在推進されているものに、職場体験やインターンシップなどがあります。キャリア教育を推進するためには、これらはきわめて有効です。職場体験やインターンシップ等の体験活動が普及するようになった背景には、体験がもたらす大きな教育効果に対する理解と認識が、家庭、地域、企業などの関係者の間に広がり、さまざまな協力体制が地域に整備されてきたことなどが考えられます。今後、さらに進めていくためにも、内容のいっそうの充実を図るためにも、生徒に職場体験やインターンシップの意義をしっかりと理解させる指導が大切になります。また、キャリア教育を効果的に進めるためには、学校はキャリア教育の意義を家庭や地域に幅広く発信することが必要です。さらに、学校・家庭・地域など、それぞれの場で子どもたちのキャリア発達が促されるよう、社会全体でキャリア教育を進めていくことが重要と言われています。

家庭・地域が学校と連携して協力できること

しつけ、子どもへの接し方
・家庭における役割分担、家事分担
・働くことを通じての家族の会話
・職業人による講演会
・職場訪問、職場体験、インターンシップ
・社会人講師による体験学習
・卒業生や地域の人々の体験談を聞く会
・幼児、高齢者、障害のある人々とのふれあい体験
・上級学校の教員による模擬授業、出前授業

子どもたちが家庭、地域の中でできること

家庭における役割分担、家事分担
・街中探検、社会科見学
・職場見学、職場体験、インターンシップ
・ボランティア活動
・自治会や公民館の活動
・お祭り等地域行事への参加

高等学校におけるキャリア発達と職場体験等の関連(例)

<キャリア発達段階>

現実的探索
・試行と社会的移行準備の時期
・自己理解の深化と自己受容
・選択基準としての勤労観、職業観の確立 ・将来設計の立案と社会的移行の準備
・進路の現実吟味と試行的参加

<体験的活動>

(例)インターンシップ(事業所、大学、行政、研究所等における就業体験)
・学校での学びと職場実習を組み合わせて行うデュアルシステム ・上級学校の体験授業・企業訪問・見学

<生徒の感想から>

・将来なりたいと思っていた仕事だが、自分に向いていないと実感した。
・学び続けることの大切さを知り、これからの進路決定に役立った。
・企業努力の大切さと現実の厳しさを実感した。・部下に指示をだす場面をみて、部署の人間関係の大切さを感じた。