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「生きる力」を基本に側面から学ぶ
群馬県内中学校の勉強はこうなっている

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学校教育の指針として『生きる力』の育成が掲げられています。これを実現させるために、「豊かな人間性の育成」、「確かな学力の向上」、「健康の増進・体力の向上」という三つの側面をバランスよく育んでいく工夫が重要になります。

人間性・学力・体力の3つの側面をバランスよく育んでいくために

「豊かな人間性の育成」においては、道徳的な価値観の自覚を深めること、生命を尊重する心や規範意識を育むことなどを目標とします。そして社会的な自立を育むことと、人間関係を形成していく力を養うことを目指しています。

「確かな学力の向上」を図るには、

●基礎的・基本的な知識・技能の習得
●学ぶ意義の理解や学ぶ意欲の向上
●思考力・判断力・表現力などの育成
●基本的な生活習慣や学習習慣の確立

などが求められます。では教科ごとにどのように取り組まれているのか、具体的に見ていきましょう。

 まず国語です。実生活で生きて、働いていくための基礎であり、各教科の学習の基本となる言語能力の確実な定着と向上を目指します。言葉を通じて的確に理解し、論理的に思考し、表現する能力を互いの立場や考えを尊重して言葉で伝えあう能力を育成します。古典や近代以降の作品をはじめとした我が国の言語文化に触れて感性や情緒をはぐくみ、言語文化を享受し継承・発展させる態度を育てます。また漢字、敬語、言葉のきまりなどの指導の充実を図ります。

理数教育の充実をめざし語学では自分の考えを表現できるように

 次に数学ですが、考える過程を図や表や式を用いて、筋道を立てて説明できる力を身につけるよう指導します。学ぶ意欲を高め、学ぶことの意義や有用性を実感するため、学んで身に付けたものを生活や学習に活用することなどを重視します。また比較・検討の視点を取り入れ、互いの考えを交流しあうという方法も用いています。

 理科では、地域の自然や身の回りに見られる事象を教材として活用するなど、日常生活との関連を重んじた取り組みがなされています。また観察・実験の結果を予想をもとに考察したり、図や文で表現したりできるよう指導しています。

 社会では、地図や統計資料やグラフの見方・読み取り方が身につくよう、資料に触れる機会を増やします。また複数の資料を比較・関連させることで、社会的な思考力や資料活用の能力を高めます。

 外国語では、目標となる表現の使用場面や働きを理解させ、基本的な語彙や文法事項の確実な定着を目指します。また各学年の到達目標を明確にしつつ、自分の考えや気持ちを表現する言語活動が展開できるよう、指導しています。

 美術ですが、表現では、生徒に「なにをどう表現するか」を考え、実践させ、生徒が互いに意見を交わす場を大切にしています。また鑑賞では、「芸術をどう感じるか、どう接するか」といった見る視点をもたせ、さらに意見を交換させることで美術への視点を深めています。

 技術・家庭では、社会において自立的に生きる基礎を培うために、家族と家庭の役割、衣、食、住、情報、産業等についての指導を充実する生活に生かす視点を大切にします。材料・題材を知り、工程を考え実践する楽しさをとおして、完成・達成の喜びを味わうことを目標とします。そして基礎的・基本的な内容を確実に身につけさせるために、製作や実習では進度表や計画表を活用するなど、一人一人の生徒の学習状況を的確に把握し、必要な支援を行っています。

表現の教育は感受性をより豊かにするための創意工夫

 音楽では、曲想の美しさを鑑賞したり、それらを表現できるような活動に生かしたり、音楽の感受にかかわる指導を行っています。思いや意図をもって表現したり味わって聴いたりする力を育成するとともに、音楽と生活とのかかわりに関心をもって生涯にわたり、音楽文化に親しむ態度を育みます。音楽をつくる楽しさの体験と自分なりに批評できるような鑑賞指導の重視、我が国や郷土の伝統音楽の指導の充実を図ります。

 保健体育ですが、生涯にわたって健康を保持増進し、豊かなスポーツライフを実現することを重視します。さらに様々な「運動技術」や「戦術(ゲームにおける動き方)」などを理解させるとともに、生徒の一人一人が「できる」喜びを味わえるように努めています。

 保健授業では身近な日常生活における事例を取り上げたりして、生徒の学習意欲を喚起しています。心身の発育・発達と健康、生活習慣病などの疾病の予防、保健医療制度の活用、健康と環境、傷害の防止としての安全、医薬品に関する指導などの充実を図るようにします。

 総合的な学習の時間ですが、教科の枠を超えた横断的・総合的な学習、探究的な活動を行います。教科等で身につけた知識や技能を総合的に働かせながら、育てたい資質や能力が確実に身につくように指導していきます。

変化に対応するための能力が求められる時代にふさわしい教育を

 現代社会においては、「課題を見いだし解決する力」、「知識・技能の更新のための生涯にわたる学習」「他者や社会、自然や環境と共に生きること」など、変化に対応するための能力が求められています。そのために学校教育のなかで、基礎・基本を確実に身に付け、いかに社会が変化しようと、自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力を身につけること。すなわちそれが『生きる力』の目指すところです。

 自らを律しつつ、他人とともに協調し、他人を思いやる心や感動する心などを持った豊かな人間性を育てること。たくましく生きるための健康や体力を向上させることなど、学校生活や家庭生活を通して、学習し、生活習慣としていくことが重要なのです。

文/浅井 睦